止水板の設置方法について

「建物に止水板を設置するのは難しいことではない」とお考えの方も多いことでしょう。確かに製品によっては、一般の方でも設置を行うことができます。一方で、製品によっては建物の付帯工事――床面・壁面の解体や補修などが必要となる場合もありますので要注意。製品の購入前に確認することが重要になります。以下に、一般的な止水板の設置方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。

止水板の設置方法

ひと口に止水板と言っても製品ごとに様々な種類があり、事前にどのようなタイプなのか、設置しようとしている場所や建物にマッチしているかどうかを確かめることが肝心になります。この点はしっかり留意しておいてください。その上で、一般的な止水板の設置は、以下のような手順で行うことになります。

事前準備

止水板の多くは、本体を設置するにあたり、事前作業が必要となります。止水板を設置しようとする場所に、本体を固定するための部材を取り付けたり、加工作業を行うというのがその内容。マグネット式の場合は磁性板を取り付け固定する、ボルト固定式であれば固定ピン用の穴を設けるなどが該当します。詳しくは、それぞれの製品の取り扱い説明書や公式HPなどで確認してください。

止水板の配置

製品のタイプに応じた事前準備が完了したら、止水版本体を設置個所に運び、配置作業を行います。止水版を選ぶ際は、設置場所に適したタイプであること、適したサイズであることが重要。せっかく購入したのに、止水効果が発揮されない、サイズが適していなくて設置できないなどの事態を招かないよう、事前にしっかりと確認しておくことが賢明です。

固定

製品の種類に応じて、正しい方法で止水板本体を固定します。マグネット式であれば、事前に設置した磁性体と止水版側のマグネットを押し当てて固定。ピン式の場合はパネルを固定するためのピンを固定する場所に設けた穴に挿入。ボルト式の場合は固定するためのボルトを差込み、工具を使って締め付けるといった具合になります。

締め付けと確認

ボルト式やピン式の場合は止水板本体をしっかりと固定する前に仮設置を行い、取り付け位置が正しいか、左右均等となっているか、隙間がないかを確認。問題がなければ、床面や壁、柱面に密着するよう本固定を行います。マグネット式の場合は工具でのネジ締めなどは不要。設置位置が正しいか、磁石によってしっかり固定されているかを確認したら、作業完了となります。

隙間からの漏水を防ぐ工夫

止水板を正しく設置しても、設置面の地面の凹凸や経年劣化による段差が生じていたりすると密着しきれず隙間から漏水するリスクがあります。そこでおすすめなのが、サポートアイテムを活用した併用テクニックです。

壁との隙間や段差ができやすい箇所には、「防水テープ(止水テープ)」や「吸水土のう」をあわせて使用することで、止水効果を高めることができます。また、PVC(塩化ビニル)などの柔軟な素材を用いた製品であれば、地面の凹凸に追従しやすく、隙間ができにくいというメリットがあります。設置環境に合わせた工夫を取り入れ、浸水被害をより確実に防ぎましょう。

設置効果を左右する「高さ」と「構造」

止水板の設置効果を引き出すには、「火災保険の適用基準」と「止水板の構造」を事前に把握しておくことが重要です。

自己負担を防ぐ「保険適用ライン」と高さ選び

水災補償が適用される基準(「床上浸水」や「地盤面から〇〇cm以上の浸水」など)は、ご加入の保険会社や契約プランによって異なります。もし保険適用の基準に満たない中途半端な浸水(床下浸水など)の被害に遭った場合、床下の泥の撤去や消毒作業といった数十万円規模の復旧費用が、すべて自己負担になってしまう恐れがあります。だからこそ、まずはご自身の火災保険の補償内容を確認し、「全額自己負担となってしまう高さの浸水」を防ぐことができるサイズの設備を導入することが合理的です。同時に、お住まいの地域のハザードマップも確認し、想定される最大浸水深と保険の適用ラインを照らし合わせておくことで、より安心な備えに繋がります。

水圧を利用して安定させる「自己圧着構造」

また、工事不要の簡易的な止水板に対して、「強い水圧に耐えられるのか」と不安を抱く方もいるかもしれません。しかし、L字型タイプの多くは、流れてきた「水の重さ(水圧)」を底面で直接受け止め、その重力を利用して地面に押し付ける「自己圧着構造」を採用しています。これにより、工事不要の簡易型であっても、水かさが増すほど固定力が高まり、全体を安定させることが可能です。この自己圧着構造をベースに、前述した『防水テープ』などの隙間対策を併用することで、より強固な浸水対策につながります。

※より詳しい製品の比較方法や、JIS規格などの性能基準について知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

止水板の設置は、正しい手順をしっかり習熟

以上の通り、止水版の設置作業は事前の付帯工事や準備をしっかり行っておけば、一般の方でも短時間で設置することが可能です。その上で、いざという時に確実に設置作業を行えるように、また止水板が劣化していないかどうかを確認するため、定期的に設置訓練を行うことが推奨されています。ぜひ実践を検討してみてください。

浸水を防ぎたい場所別
おすすめの止水板3選

ビルやマンション
の自動ドア・EVなど
を守りたいなら

「みずどめくん2」
キッスビー三興建設

みずどめくん2画像

支柱やレール工事の必要がなく、簡単設置で止水性能も高い。

止水
性能
200ml/h・㎡
横幅 40~3000mm
高さ 180~700mm
重量 11㎏~
価格 294,800円~(税込)
一般住宅の玄関や
ガレージなど
を守りたいなら

「アピアシャット」
鈴木シャッター

アピアシャット画像引用元:鈴木シャッター公式HP
https://suzuki-sh.co.jp/case/155/

コーナーレールやコの字型など環境に合わせて取り付け可能

止水
性能
1,000ml/h・㎡
横幅 500~10,000㎜
高さ 300~1,000mm
重量 20㎏~
価格 記載なし
工場や変電設備など
の敷地ごと
を守りたいなら

「ウォーターシャッター」
中部美化企業

ウォーターシャッター画像引用元:中部美化企業公式HP
https://chububika.co.jp/watershutter/

柱を介して無制限にぐるりと高い止水壁を作り出すことができる。

止水
性能
1,000ml/h・㎡
横幅 無制限
高さ 342~1,958mm
重量 5.6㎏~/パネル1枚
価格 489,500円~(税込)