毎年各地で豪雨による被害が発生しています。「駅」はその性質上、不特定多数の利用者が行き合う場所であり、特に地下鉄構内への水の侵入は、重大な人的被害をもたらす危険性が非常に高まる場所でもあります。このページでは、駅における水害対策について紹介します。
「アルミ脱着式タイプ」は、梅雨や台風の時期、気候変化によるゲリラ豪雨など、主に都市型水害の対策として2003年から運用が開始された浸水対策製品です。従来の土嚢による浸水対策と比較して、女性でも簡単に短時間で設置できる特徴があります。アルミ脱着式タイプはJRや私鉄などの各鉄道会社や、インフラ関連施設、病院・福祉施設、商業施設など、多くの場所に採用されています。
「ウォーターシャッター」は、いくつかに分かれたアルミパネルを重ねることで、止水壁をつくりだす水害対策製品です。アルミ脱着式タイプと比較して、水深に対する高さを自由に調節できるメリットがあります。ウォーターシャッターは、開口幅が広い場所や、スロープなどの平地でない出入り口への設置に適しています。
「CFRP製 止水パネル」は素材にCFRPを採用した止水パネルです。「CFRP」とは「Carbon Fiber Reinforced Plastics」の略語で、炭素繊維で補強・強化された樹脂をさします。軽量化、大型化、小型化、省エネ化など多くの用途が期待できる素材であり、止水パネルに採用することで軽量化が図れます。アルミ製より半分ほどの重量となるので、作業負担が少なく、安全に利用できるメリットがあります。
駅における水害は、主に地下鉄での様子が取り上げられることが多いですが、地上駅でもさまざまな被害をもたらします。
過去に台風により浸水被害が起きた駅の事例では、改札や券売機が水没したり、エスカレーターやエレベーターの故障が発生しました。運行が再開された後も、構内設備の修理が間に合わず、構内に入るまで長蛇の列ができるといった別の問題が発生しました。駅舎内の機械設備保護のためにも、豪雨時の止水板設置は有効といえます。
地下鉄の出入り口を観察すると、なにかをはめ込めるような「くぼみ」に気付くことがあります。このくぼみは、止水板を設置するためのくぼみであり、洪水の程度によって高さを調節できる特徴があります。
また、駅出入り口の洪水対策にシャッターではなく、止水板を採用することで、跨いでの通行が可能となり、避難口の確保にもつながります。
水害対策には止水板以外にもさまざまな方法があります。例として「東京メトロ」における浸水対策を紹介します。
東京メトロは「地下鉄」であり、その性質上、駅出入り口、換気口、トンネル出入り口など、多くの場所からの浸水リスクを有しています。東京メトロでは各侵入口への止水板や防水扉の設置のほか、「浸水感知器」を採用し、早期の浸水対策を行っています。
また、海抜ゼロメートル地帯では、駅出入り口に階段を設け高低差を付けたり、遠隔操作や雨量感知器によって自動で作動する「浸水防止機」も採用しています。
東京メトロで行われている水害対策は「1000年に1度の荒川反乱」を想定した基準であり、浸水の恐れがある際は、車両や乗客をすべて浸水想定区域外に避難させることをマニュアルで定めているとのことです。